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2011/12/29

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リクビダートルの言葉

category - 日記
2011/ 12/ 29
                 
僕らは、チェルノブイリ事故に対処した作業員と妻の凄惨な「夫婦愛」から学ばなければいけない

昨日の日記にリンクを貼っておきましたが、
ぜひ読んでいただきたくて、今日は会話を載せさせていただきます。
(上のリンクのブログ「ざまあみやがれい」の8月の記事の中で、
管理人さんが書き出してくださった、You Tubeの中の
登場人物の言葉の一部です。)

チェルノブイリ事故後、労働者100万人が原子炉に送り込まれました。
この労働者たちが、リクビダートルです。
石棺で原子炉を封印するための作業で、尋常でない被曝をしました。
その後、充分な補償もなく、悲惨な日々を送ることになりました。

「首相官邸災害対策ページ」の中の「チェルノブイリ事故との比較」で
清掃作業に従事した方(リクビダートル)は死亡者ゼロと
書かれている日本政府の見解を知ったら、リグビダートルだった方々と
その家族の方々は、どう思うでしょうか。

動画もあります。こちらの動画の中の会話の一部が下に載っていますが、
ぜひ動画を見ていただきたいと思います。

犠牲者ー事故処理作業者(リクビダートル)の知られざる現実 1/2


犠牲者ー事故処理作業者(リクビダートル)の知られざる現実 2/2



=====
男「俺はしきりに倒れるようになってしまった。」

男「車椅子を使ってくださいと妻が言った。それで車椅子にした。それだけのことだ」

男「今は車椅子生活者だ」

男「知ったことじゃない」

男「思い出したら辛いだけ。忘れてしまう方がまし」

男「太陽は輝く。美しく輝く」

男「思い出したら地獄を見る」

男「忘れてしまったほうがましさ」

男「『今は昔、夢かうつつか』というだろう」

「もしかして、外国の誰かさんが、自動車をくれたりしないかな」

「中古でもいい。どんな型でもいい」

「外に出かけて野山を走りたいだけだ」

「こんな有様で自然に接しないままなのは厳しい」

男「全く悪夢だ」

男「車がたまらなくほしい。そんなのは夢。叶わない夢だとわかってはいても」

男「しかしそれにしても、ベッドの上に板切れみたく平たく横たわっていると、飼い犬がやってきてじっと見てるんだ。そこで『なんで俺のこと見てるんだ?』俺はやって見せる。ワン! 犬は思ってるんだ、この親父終わってるなと。構やしない。」

男「犬は離れていって台所に行く。そして戻ってくる。『どうしたんだ?』『ワン!』」

男「また離れていく。そしてまた戻ってくる。もう三度目だ。」

男「俺が『ワン!』犬も『ワン!』」

男「これで話が通じたね。何たる悪夢」    

男 「人間が一人、全く徒に終わった」

男 「俺達は何もかも断念あるのみ」

男 「本当はまだ若い……」

男 「38だが60歳だといってもかまわない。何が違うんだい?

男「チェルノブイリがあってからというもの、希望も何もなくなったんだ」

男「ヴォドラズスキーが死んだ。」

男「ミゴラク・クリモヴィッチも死んだ」

男「リオンカ・ザトゥラーノフも死んだ」

男「まだ生き残っているのは、コルカ・ヴェルビツキーと俺だけ」

男「俺達五人のなかでなぜかまだ生きているんだ」

男「白いカラスのように取り残されてね」

男「どうでもいい」

男「チェルノブイリは確かに起きた。でもいうじゃないか」

男「『今は昔、夢かうつつか、嘘かまことか』と」

「あの頃のことは忘れるに越したことはない」

「昔は大人の男だった。昔は歩けた」

「昔は車も運転した。今となってはもぬけの殻だ」

男「これにはなにかわけがあるに違いない」

男「神様の前でそんなに多くの罪を犯したとも思えないが・・・」

男「とにかく全部大丈夫」

男「悪夢だよ」
=====
2001年の妻の言葉

妻「私たちは83年に結婚。早くも86年には夫はチェルノブイリ行き」

妻「全ての厄災はそこから」

妻「夫はいつも入退院を繰り返し」

 「夫の左腕は麻痺し、次は左足も麻痺」

 「なのに言われました。『仮病だろう? ふざけてるんだろう』」

 「大の大人が歩けないので、明らかではありませんか」

 「夫はしきりにつまづいて倒れました」

 「医者は『風邪でも引いたんでしょう」

妻「『運転手をしていると激しい風に当たりますしね」と」

妻「でも実際にはぜんぜん違う病気だったのです」

妻「チェルノブイリは悲劇。まだ理解されていない悲劇」

妻「放射線被曝によるこの病気は実質上治療不可能で」

 「患者たちはサンプルにされているのです」

 「夫は6か月間寝たきりでその後……」

 「いわば生きながらにして体が崩壊したのです」

妻「肉体組織がすべて崩壊しはじめ」

妻「腸骨がみえるほどになりました」

妻「私は医者に指導された通りのやり方で」

妻「夫の看病をしました。」

妻「女の医師のところに出かけて方法の説明を受けました」

妻「夫の心臓が止まるまでそんな調子で続けました」

「肉がすべてそげ落ちて背中はぺたんこで骨がむき出しでした」

「太ももの関節も手でさわれるほどでした」

「私は手袋を使って手で骨の消毒をしました」

「分解し腐乱した、骨の残骸を取り除きました」

妻「何故か分からないのですが、急に容態が悪化しました」

妻「医師に助けを求めたり大学教授に頼ったりしました」

妻「可能なかぎり誰にでもすがったのです」

 「しかし言われました、『こんな病気は初めてでよくわかりません』」

 「『症状を緩和することしか出来ません』といった調子なのです」

 「骨髄が駄目になっていくのに直面して彼らはお手上げでした」

 「なすすべがなかったのです」

 「夫はもう死なせてくれと頼みました。苦しまなくてすむようにと」

妻「痛くてたまらなかったのでしょうね」

妻「寝返りを打たせると、歯ぎしりをしたりうめいたりしました」

妻「でも彼は絶対に叫び声を上げたりせず、耐えぬいたのです」

妻「意志の強い人でした」

 「娘には腎臓の異常があります」

 「息子は少し吃音があり目も病気です」

 「片方の腎臓が下垂しています。痛いです」

 「これは私たちだけの悲劇ではありません。ベラルーシ全体の悲劇です」

「そしてあの人たちの悲劇」

「とりわけ、人を救い全てをこなし、そしてたちまち全く忘却されていった人々の悲劇です」

妻「今住んでいるアパートの部屋を得るためにも、ハンストせねばなりませんでした」

妻「夫が入院したとき、そこでは人々が権利を獲得するために断食していました」

妻「助けを獲得するためにです」

 「労働者集めの時お偉方は大層な約束をしました」

 「住む家とか子供たちの託児所とか」

 「でも結局はすべて空手形でした。」

妻「胸がつかえます。すべての出来事を目の当たりにして辛いばかりです」

妻「(なんの罪もないのに)なぜなのか分かりません」

妻「そうですとも。」

妻「夫は誰にでも何についてでも語ることはできたでしょう」

妻「どんなことについて誰かに話をさせることもできたでしょう」

 「夫のような人を伴侶にしてよかった」

 「彼はすべてを理解し、すべてを人の命のために捧げたのですから」

妻「なかには足るを知って静かに生きることができる人もいます」

妻「『私にはあれとこれがある。それで充分だ』と」

妻「しかし夫は人生になにかそれ以上のものを求めたのです」

妻「何かそれ以上の物、遥かなものを見つめていたのです」

妻「夫は生き急ぎました」

妻「埋葬が終わってから一年も経ったころ、チェルノブイリ・アソシエーションが電話をしてきて、ご主人の様子はいかがと尋ねました」

妻「もう亡くなりましたと伝えました。そのことすら知らなかったのです」

妻「夫は言っていました『チェルノブイリから13年間は生きたいものだな』」

妻「それが生きがいだったのでしょう。そうでもなければ」

妻「どうしてあんなに長い間闘病生活ができたでしょう」

妻「ここには事故直後に亡くなった人たちも眠っています。」

 「私たちの親友ヴォドラズスキーは指揮官で、ヘリのパイロットでしたが」

 「事故が起きて間もなく世を去りました」

 「彼も同じような肉体組織の崩壊に見舞われたのです」

 「ヴォドラズスキーは原子炉の真上を飛行しました」

 「兵士たちが原子炉を封印しているときは、その場から離れませんでした」

 「彼は一緒に勤務に当たっていた兵士たちを非番にしようとしました」

 「兵士たちを飛行に関与させず自分で操縦しようとしたのです」

 「そんなことしていたらどうなるかも彼はわかっていました」

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原子炉の石棺を作るために、被曝しつつ働いた彼らを
みんなその時は「英雄だ」と褒め称えました。
日本のHUKUSIMA50と同じです。
多くの人の被曝を、土地の汚染を、最小限に抑えるために、
自らは大量の被曝をして作業した皆さんです。
 
チェルノブイリのリクビダートルの方々は、
その後、まともな補償も受けられませんでした。
奥さんが「生きながらにして体が崩壊した」と語るような
悲惨な状況は、政府にとって都合が悪かったのです。
日本政府は公式のHPで、こう書いています。

2 事故後、清掃作業に従事した方
*チェルノブイリでは、24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで、健康に影響はなかった
*福島では、この部分はまだ該当者なし。
 
長瀧重信氏・佐々木康人氏の見解ですが、
政府のHPに載っていますので、
もちろん日本の国家としての見解です。
原発がなければ、健康で長生きしたかもしれないのに、
「生きながらにして体が崩壊」し、苦しんで亡くなった、
リクビダートルの皆さんを想像してから、
もう1度政府の発表を読んでみて下さい。
 
これほどの健康被害を「被曝のせいではない」とするのですから、
福島原発の事故後の作業員の皆さんに、どんな健康被害が出ても、
きっと被曝のせいではないという見解を発表するのでしょう。
 
日本の原発作業者の皆さんの実際の被曝による健康被害は、
深刻なのではと多くの人が思っています。
原発作業に関わった人たちのリストも、何重にも下請けになっているので、
ろくにないという噂もあります。
何重に下請けになっていようと、危険な仕事に従事させるわけですから、
責任を考えたら、東電がリストを作り、その後の健康調査もするべきですが、
そんな立派な心根の会社ではないので、リストはないのでしょう。
責任を取るつもりがなければ、都合が悪いだけですから。

原発がなければ、作業員になった方々が被曝したりしませんでした。
それほどの犠牲を払ってまで、原発はいらないと思います。


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