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「男だからって、黙ってる気はない。わしはちゃんと注意するよ。」

category - 日記
2019/ 01/ 15
                 
施設の義母さんに面会に行くと、妙にキリッとした顔をしていました。
「はっきり言ってやった」と言います。ん?ケンカ?

入所者の男性が、机をドンドンと音を立ててたたき続けたのだそうです。

耳障りな音を立てる入所者さんというのは、施設あるあるのお話です。
机をたたく、壁をたたく、大きな声を出す。
大きな声もいろいろバージョンがあって、怒るバージョン、謝るバージョン、
家に帰るので迎えの電話をしてくれと繰り返すバージョンを見たことがあります。

呆けていて、こういう形で吐きだしたいものを吐きだしている方なので、
スタッフさんが「やめましょうね」と言って、なくなるものではありません。

その男性に、「うるさいっ!机をたたいちゃいかん!みんなの迷惑だ!」
義母さんは「きっぱりと」その男性に言ったと胸を張っていたのです。
「男だからって、黙ってる気はない。わしはちゃんと注意するよ。」

私は、いつもなら、「それはおばあちゃん、迷惑だったわねぇ。
でも、ああいう人は言ってもわからないみたいだよ。
頭の中で電話が鳴ってるみたいなものらしいよ。怒られると悔しかったり悲しかったりで、
余計にひどくなる人もいるらしいよ」などとなだめるんです。
この時もそうしようかなと思いました。もう習慣化してます。

でも、義母さんの誇らしげな顔を見て、気持ちが変わりました。
「本当にねぇ。男だからって、えばってちゃいけないよね。
男でも女でも、みんながイヤなことをしちゃいけないよね。」
義母さんは、しっかりとうなづいて、「そうだ!」と言いました。

義母さんは昭和一ケタ生まれ、しかも田舎生まれの田舎育ちです。
男は偉いと言われて育ち、男は偉いと従って嫁時代を過ごし、
男は偉いと子供にも言い聞かせて子育てしてきました。

親同居の農家の長男に嫁いだので、かなりの辛酸をなめて生きてきたはずです。
勝ち気で働き者の女性だった義母さんは、若い頃、
男が偉いなんてことはない!って、ずっと言いたかったかもしれません。
きりっとした顔で胸を張っている義母さんは、何だか可愛らしかったです。
スタッフさんからは話を聞いていないので、大したトラブルにはなっていないのでしょう。
大したケンカ?になった場合は、施設からご報告があると思います。

みんなにうるさいと言われながら、机をドンドンたたくなんて、
これは、自分のいらだちを言葉で説明できない幼児のすることです。
入所者のおじいさんは、元々がそういう幼児性の強いお人柄なのか、
そうではなかったのだけれど、子供返りしてそうなったのか、わかりませんが、
心穏やかな人のとる行動ではないので、不満と不安が溢れた結果なのでしょう。
感情のコントロールが出来なければ、行動で出すしかないのでしょう。

100歳が珍しくない時代を生きるのはなかなか大変そうです。
ピンピンコロリに近い、少しだけ寝込んでから逝くというのが私の理想だわ~。
少しだけ寝込むと、死ぬ側の覚悟の時間が出来て、看取る側の心の負担が減ると思う~。



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コメント

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No title
お義母様は、今まで持ってた沸々とした、反抗的な感情を、
今ちゃんとこうやって出してるってことは、良い事ではないでしょうか。
痴呆もそんなに程度は重くないでしょう?
痴呆になる人は、現実逃避だ・・・というのを何かで読んだような気がします。思い出したくなくて、自分の人生否定したくて、忘れてしまうように脳が働くと。
お義母様は自分が理不尽だと思ったことを、
こういう形で小出しにしてるのは、生き直しというか、
自分の人生を忘れて蓋しようとしているわけではないと思うので、
良いと思いました。
No title
優しい対応ですね。義母さんは久しぶりの高揚感だったと思います。その男性ともめてしまうとまた別の問題が生まれますが、ひとまずいい気持ちになってよかったと私も思います。

キレる老人や不機嫌な老人が多いそうですが、私も注意しないと。
No title
おはようございます(^^)。

良いと思いますよ(笑)すっきりされた事でしょう。

今日も笑顔で素適な一日を過ごしましょう。
No title
ねえねさんへ

痴呆になる人は、現実逃避なんですか?
意識の上でボケたい人はいないでしょうけれど、
潜在意識で、すべて忘れてしまいたいと願うことがあっても不思議ではないですね。
何とか潜在意識と顕在意識がかけ離れていかないような生き方をしたいものです。

義母さんは私が嫁いできてからの35年間でもずいぶん変わりました。
人間、いくつになっても変わるんだという見本を見せていただいています。
もちろん変わらない部分も多々あるんですけどね。(笑)
No title
sioさんへ

ひとまずいい気持ちになってよかった。
至言ですね。(笑)本当にそんな感じです。
義母さんが左半身不随になってもうすぐ40年経ちます。
最初は40代後半という若さですから、どれほどストレスが強かったかと思います。
徐々に不自由さは増しましたが、緩やかに増したので、
自分自身の、不自由さの受け入れ度合は、最初の脳出血後遺症語を思えば、
厳しくなかったでしょうけれど、長い戦いだったと思います。
ようやく戦いから降りているように見えます。
No title
みゆきママさんへ

自分はしっかり言いたいことを言った!という満足感は大きいようです。
若い頃、言いたくても言えないことがいっぱいあったのでしょう。
義姉さんたちも、それが今出てきているようです。
皆さん、どうして吐きだし口が私なの?(苦笑)
No title
一緒に生活していると、いろんな方がいて、いろんな迷惑もあるでしょうね。
お義母様、口に出して言えたのは、凄いですね。
注意をされて収まる方と、何回言ってもよくならない方といるでしょうが、お義母様は言いたいことを言ってすっきりされたことでしょう。
ピンピンころり・・理想の最期ですね。でも、きっとそういうわけにはいかないのが現実。二人に一人が認知症の時代。せめて認知症にならないように予防に努めましょう。
No title
koalaさんの優しい対応に、「なるほどっ!」と思わず声が出ました。本当に優しくて穏やかで素敵な対応ですね~
koalaさんの心が落ち着いて満たされているからでしょうね。
私なら、できるかな?どうするかな?っと考えてみました。
No title
ちゃんちゃこりんさんへ

義母さんは、迷惑を掛けられたと感じたら、黙っていられない人です。
だから全然凄くなくて、むしろ黙っていられたら凄いという感じです。
男に逆らってやった!というのが義母さんにとって心躍る事だったみたいです。
前の施設では、苦情の多い問題児でした。(苦笑)

ピンピンコロリは、逝く人は楽ですが、残された側はいきなりでちょっと大変。
どういう死に方でも受け入れなくてはと思っていますが、どうなるかな?
認知症予防はもはやマナーですね。
No title
ミセスRさんへ

いつもはたしなめるんですが、とてもご機嫌で嬉しそうだったんですよ。
その喜びに水を差すのは野暮かなと思って。
しかし喜びもつかの間…義母さん、インフルエンザです。
つきっきりで看病の私…うつる可能性大ですが、何とかうつらないで済ませたいです。
とにかく手洗いをしっかりやって、緑茶や紅茶を頻繁に飲んで、抵抗したいです。
大流行していますので、ミセスRさんもご用心を!
No title
義母さんの主張を素直に肯定されてすごいなって思いました。臨機応変な対応、私もそうできるといいな。
No title
ミーさんへ

どういう対応が一番いいのかわかりません。
ケースバイケースですよね。
この時はこれでよかったと思います。