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2017年07月19日

        

叔母は入院しました

category - 日記
2017/ 07/ 19
                 
朝、叔母をお迎えに行き、かかりつけの病院で造影剤CTの検査。
大腸と肝臓に腫瘍が見えました。
先生はがんとか悪性腫瘍という言葉は使いませんでしたが、
叔母も私も、それはわかりました。

紹介状を書きますから、大きな病院にすぐに行ってくださいと言われ、
昨年シュウトメちゃんが入院した病院の救急外来に行きました。
ここでもいくつか検査をして、さらにいろいろな検査が必要という話になりました。

高齢者には、抗がん剤などでの治療は、逆に良くないことが多いので、
そういう治療はしません、と先生はおっしゃいました。
怪しい影があると言われていたので、ネットで事前に検索したのですが、
高齢者は抗がん剤で食事がたべられなくなって急速に弱ってしまったり、
寝たきりになって、明らかに生活の質が落ちることが多いらしいです。

通院で検査もできますが、通うのが大変そうですから、
入院しての検査もできますよと診察室で言ってくださるその言葉に、
叔母は怒ってぶんぶん顔を横に振ります。
治療をしないなら、検査もしないでいいじゃないかと思ったのかもしれません。
元々叔母は、延命治療をされたくないという意思があることを以前聞いていたのですが、
検査もしないというのは極端すぎるように思えました。

先生も、強制ではないですが、検査をして現状を把握しておいた方が、
何か症状が出てきたときに、速く対応できますよと説得してくださいました。
腸閉塞になったらすごく苦しいけれど、大腸の内視鏡検査をすれば、
今、そういう危険個所があるかどうかわかるし、危険個所にステントを入れることもできる、
そうすれば、美味しくご飯が食べられる時間がうんと伸びますよ、などなど。

叔母は元看護婦長さんなので、いろいろ知識はありますが、
20年ほど前に定年退職している身。
医学は20年で飛躍的に向上しているはず。

おばさんのしたくない、抗がん剤の治療も延命治療もしないって約束するよ。
痛いこと、苦しいことを少しでも減らして暮らしていくための検査をしようよと
私も一生懸命説得しました。
先生も私も、守りたいのは叔母の生活の質で、
叔母にとって一番大事なのもその点のはず。

叔母はうなづいてくれて、そのまま入院になりました。
この大病院の先生は「がん」という言葉をはっきり使いましたし、
「年齢を考えると抗がん剤治療はしません」ともおっしゃいました。
満83歳の叔母の目の前で。
時代は進んでいるんだなぁとしみじみ思いました。

叔母は脳出血で右半身麻痺になり、その2~3年後に脳梗塞で言語障害を負いました。
持病として高血圧と糖尿病がありました。
ずっとその2つを気にしてきたのですが、がんの危険は感じていませんでした。
私も同様です。叔母の妹である私の実母ががんで死んでいるのに、
叔母は血管系だから、なんて思っていました。
運命の不意打ち、と叔母は感じことでしょう。

この病院は夜間や早朝などに緊急入院することになった患者さんたち用の部屋があり、
叔母は夜間ではなく夕方入院でしたが、そちらにとりあえず入院しました。
しばらくおしゃべりしていたら、叔母はそこそこ落ち着いてきました。

半身不随になったり、言語障害を負ったり、転倒骨折して突然車椅子の身になったり、
試練の多い人生を歩んできた叔母は、ダメ押しみたいに神様から「がん」をプレゼントされ、
私は「がんになった叔母を見守る運命」を、やはり神様からプレゼントされました。

「プレゼント」って、嫌味で言ってるんじゃないんです。
説明はとても難しいけれど、この世で味わう喜怒哀楽全てもプレゼントに思えます。
どMじゃないから、怒と哀はいらないです。避けられるものなら。

でもそういう感情を味わう経験が、目の前に、人生のフルコースの一部として、
「次はこのお料理です」と出されたら、仕方ない。
苦い苦いそのお料理を、よく味わって、咀嚼して、飲み込んでいうのが人生かなと。
もちろん「このお料理はいらないです」と言ってみるのが大事なこともあるでしょう。
それで「わかりました」と皿が下げてもらえる時もあると思います。
「このお料理は避けられませんね。」と下げてもらえないことも多々ある事。
こういう感覚を言葉にするの、難しいですね。

今、叔母の体調は特に悪いこともなく、あるとすれば便秘気味なことくらい。
将来、叔母が苦しむ姿を見たら苦しいに決まってますが、
病気の叔母を励まして、看取るのが私のお役目なら、
そのお役目を引き受けるしかありません。
叔母には悪いけど、できる範囲で。

叔母に会いに行く時は、いつも帰り際にハイタッチするんです。
今日も病院でお別れの際にハイタッチしてきました。
がんで入院したのにハイタッチなんてと思われるかもしれませんが、
私なりの叔母へのエールです。
叔母も笑顔でハイタッチしてくれました。

今日、がんですといわれる覚悟はあったでしょうけれど、
即刻入院なんて、想定外だったに違いない叔母。
私も全く想定外でした。

叔母は今日、よく眠れるでしょうか。


            
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