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2015/10/01

2015年10月01日

        

100万分の1回のねこ

category - 日記
2015/ 10/ 01
                 
図書館から借りている短編集です。
あの名作「100万回生きたねこ」に捧げる短編集で、
表紙にはあの立派なトラねこのイラストもあります。



年を重ねて老眼が入ってきたのと、活字中毒が治った?のとで、
本を大量には読まなくなっています。
図書館で本を借りるのも、1度に借りる冊数を少なくしています。

この本の短編は、月刊雑誌に4話ずつ載ったものが3か月分と、
書きおろし1編で、全部で13話になっていました。

タイトルもいいなぁ。
猫が全部100万回生きるわけじゃないでしょうけど、
もしそうだとしたら、目の前の猫は、
その100万分の1回を生きているねこなんですよね。



しみじみと好みだったのは、岩瀬成子さんの「竹」
岩瀬成子さんって、存じ上げなかったのですが、
児童文学で活躍されているようですね。

タイトルの「竹」は、植物の竹じゃなくて、主人公の飼いねこの名前です。
主人公は小学生の女の子で、家に帰ってこない「竹」を姉と別行動で探しています。
ややアル中気味のお母さんと、あまり家に帰ってこないお父さんという
家庭環境が垣間見えますが、それなりに平和に暮らしています。

女の子の隣のクラスの寺山君が、猫が集まっている家を教えてくれました。
(女の子は寺山君が好きなのです。)
そこには変わり者のおばあさんがいて、猫にエサをあげています。
集まっている猫の中に、女の子は、竹そっくりなねこを見つけました。
しかし、おばあさんは、そのねこは八兵衛ちゃんであり、前からいると言います。
どう見ても竹に見えるのに、「竹」と読んでも、その猫は反応しません。

しかし、竹はひょっこり帰ってきました。
何も変わったことなどなかったように、普通に毛づくろいしています。
女の子は、小声でそっと「八兵衛」と呼んでみますが、無反応でした。
寺山君にねこが帰ってきたと報告しながら、女の子は考えます。
あの八兵衛は、八兵衛になっている竹、うちにいるのは
竹になっている八兵衛だったりして。
あの家の庭にいたたくさんの猫たちはいったいどこから?

とにかく、竹は帰ったのだ、と女の子は思い、
寺山君から離れすぎないように早足になって学校へと向かいます。

ねこの持つ不思議な魅力をこんな形で表現できてすごいと思いました。
こういう不思議な味わいの小説は昔から大好きです。



ひえっと結末が怖かったのは、唯野未歩子さんの「あにいもうと」

主人公は、いつも人気者で早死にしてしまうオスねこの妹になって生まれるねこ。
何度生まれ変わっても、その兄ねこの生まれ変わりが兄で、
この兄は、毎回、立派なトラねことして生まれ、いつも顔も毛並みも要領もよく、
飼い主の愛情を独り占めして、主人公は羨ましくてなりません。

主人公も毎回飼い猫で、飼い主が大好きですが、それほど愛されず、
居場所がないと感じて、一生懸命飼い主に尽くすメスねこでした。

そしてある日、主人公は人間の女の子に生まれ変わりました。
兄もいませんでした。
初めての人間の生活は刺激的で愉快で面白く、女の子は成長していきました。

デパートのおもちゃ売り場に勤め、恋愛結婚もして、新婚生活は幸せでした。
ある日、ご主人は、生まれたての子猫をもらってきました。トラねこでした。
トラ猫ということは兄?とも思いますが、その件には触れていません。

前世、長いことねこだった主人公は、ねこを飼いたいと思ったことはなかったですが、
ねこの育て方には勘が働き、ねこは主人公に懐いていきます。
しかし、ご主人は、ねこを嫌がり、主人公にも不機嫌になり、
ご主人がねこに魅せる冷たさは自分にも向けられているような不安に陥ります。
不安な時にねこを撫でると、主人公は慰められるのでした。
1歳になるとねこは大人のかっこいい猫になり主人公は一層魅せられます。

主人公は妊娠し、ご主人は「この猫はもう誰かにやらないとな」と言います。
赤ちゃんのためというより、意地悪で言っているんだと、主人公には分かります。

この猫が大好きになっていた主人公は、打撃を受けますが、
何とかならないかと微笑みを浮かべます。
冗談だよという台詞を待ちますが、ご主人は本気でした。
そして主人公は、ご主人に逆らうことは出来ないのでした。

ある日、主人公は車にねこを乗せて、さびれた観光地へ向かいます。
朽ち果てたボート乗り場のあるような湖にねこを抱きかかえて歩きます。
逃げようとするねこの首の皮をつまんで大人しくさせ、
岸辺に行った主人公は、ねこを放り投げてしまいます。

主人公は罪悪感は感じませんでした。
罪はいずれ償うつもりでした。
主人公は車に乗り、家に帰って行きます。

ねこを放り出すシーンで、心の中で悲鳴が上がりました。
大好きになった、自分を信頼しているねこを溺れさせるなんて。

このねこは兄ねこに違いない、と思いました。
私の頭の中で、くるりと時間の向きが変わり、
前世でずっと兄ねこが愛され、自分が邪険にされることで、
この時の罪を償い続けたのだという気がしました。
兄ねこが早死にしてしまうのは、この時、早死にしたためでしょう。



一番感情移入してしまったのは「おかあさんのところにやってきた猫」
角田光代さんでした。これは永遠の母と子の話だわ・・・

主人公はねこ。
赤ちゃんの時に「おかあさん」のところに来ました。
おかあさんはねこを「おちびちゃん」と呼んで可愛がります。
ねこもおかあさんに抱っこされたり褒められたりすることが大好きになりました。

ある日、外を眺めていたねこは、他のねこを見つけます。
次の日も、その次の日もそのねこは同じ場所で主人公を見つめました。
外は怖いと言われて、興味のなかったねこでしたが、
出口を探して、お風呂場の窓が少し開いているところから外に出ました。
窓から見ていたねこと出会い、一緒に遊びます。
おかあさんが出かけてからねこも外に出かけ、帰ってくる前に、家に戻るのが、
ねこは上手になりました。どこかしら窓が少し開いていたのです。

ねこはおかあさんに褒められることよりも、自分の世界が広がることの方が
どんなに嬉しいことか知ります。
こんなに高く飛べる!こんなに早く走れる!誰にも褒められなくていい。
だってこんなに楽しいんだもの。

おかあさんは言います。いい子ねぇ、世界で一番いい子。世界で一番かわいい子。
世界でいちばんやさしい子。

いい子でもやさしくもないわたしを認めろ!自分の願いを押し付けるな!
世界が広がったねこは、だんだんとおかあさんが疎ましくなってきました。


ある日、ねこは一晩を外で過ごし、おかあさんが外に出かける時間に
ねこは家に帰ります。
しかし家には、ねこの脱走を心配したおかあさんがいて、
それ以降は、ねこの脱走にとても慎重になりました。
外で友達ねこたちと過ごすのが当たり前になっていたねこはパニックになりますが、
宅急便が来たチャンスに、全力で走って家から逃げ出します。
もう2度と家には帰らないとねこは心に決めていました。
おかあさんに思いこまされたわたしではなくて、ちゃんとわたし自身でわたしは生きていく。

見知ったあの町に帰ってしまうと、おかあさんに見つかる可能性が高くなるので、
ねこは、友達になったねこたちと会うのは諦めて、よその町の野良猫になりました。

その町の若い猫に「あなたおちびちゃんね」と言われて、ねこは驚きます。
遠くの町にたくさん写真や名前や特徴が書かれて、貼られているというのです。

おかあさんがポスターを作って探しているので、あちこちに
ねこの顔写真が貼ってあったのでした。

それから時々、ねこはおかあさんのことを思い出すようになりました。
おかあさん、泣いているかなと思うと心臓が痛みました。
心臓のあたりがあまりにも痛んだ時、ねこはその若い猫に、
ポスターがまだ貼ってあるか、見てきてほしいと頼みます。

そのねこが2日後に帰ってきて、もう貼っていなかったと言うと、
ねこはおかあさんのところに新しいおちびちゃんがやってきたに違いないと安心しました。

長いこと暮らしたその町で、仲の良いねこが死んでしまうと、
ねこは昔のことばかり思い出すようになり、おかあさんと住んだ町に戻ってみます。
あのころ仲良しだったねこはもういませんでした。
初めてであったねこは死んだと聞かされました。

おかあさんに出会いました。
よぼよぼになっているかと思ったのに、あまり変わっていませんでした。
おかあさんはねこを抱き上げますが、かつての飼いねこがわかりません。
「まあ、ねこちゃん、どうしたの、どこのねこちゃん」?
ねこは年を取って、変わりすぎたので、おかあさんにはわからなかったのです。

「わたしもね、昔々、ねこを飼っていたことがありました」とおかあさんはねこに呟きます。
「世界で一番かわいいねこで、仲良しだったんだけど、それは勘違いだったみたい。
あの子はわたしのところから逃げたくてたまらなかったのね。」

ねこはおかあさんを隠れて見ているつもりで、おかあさんの庭にいるのですが、
だんだん動けなくなってしまいました。
他の猫が食べ物を運んでくれますが、ねこは眠る時間がどんどん長くなっていきます。
思い出すのは、おかあさんの家をこっそり抜け出して、一緒に遊んでいたねこたちとのこと。
おかあさんに抱きしめられたり、おかあさんの涙をなめたりしたこと。

もしもう1回、このおうちにつれてきられても、おかあさんが大好きでも、
きっと逃げちゃっただろうな、とねこは思います。
おかあさんは、赤ん坊の私を見つけたら、きっとこの子はいつかいなくなる、
その時は心が張り裂けるくらい悲しいだろうとわかっていても、
やっぱり連れて帰ってかわいがるのだろうとねこは思います。

ふわりと体が浮き上がり、死んだんだ、とねこは思います。
その時、ねこにはわかりました。
次に会うとき、私がおかあさんで、おかあさんが赤ん坊だということ。
2人とも人間で、わたしは一生懸命、赤ん坊の面倒をみるのだとわかります。

子ねこだったときの主人公に、おかあさんがよく
「わたしのところに来てくれてありがとう」と言っていたのですが、
生まれ変わって人間の女性になったとき、その女性は赤ちゃんに
「わたしのところにきてくれてありがとう。間違えずに
わたしのところにたどり着いてくれて」と言います。
それは未来の話で、ねこは死につつあり、目が開かないのですが、
その光景が見えるんです。

ねこはおかあさんの生まれ変わりである未来の赤ちゃんに、
ねえ、わたしをちゃんと見つけてねと言うのですが、
ぐるぐるぐるぐると鳴る音がそれを消してしまいます。
ぐるぐるぐるぐる。それは止めようと思っても止まりません。
ねこは、わたしはしあわせだったんだなぁと、その音を聞きながら知るのでした。

子供が生まれると、たいていのお母さんは思いますよね。
うちに生まれてきてくれてありがとう、って。
愛情をいっぱい注いで、可愛がって、守っていきたいと思いますよね。
成長して、「ちゃんとわたし自身でわたしは生きていく」と決心し、
おかあさんの庇護から逃げ出したちびちゃんは、
年を重ねて、おかあさんの切なさを知りました。

そして、生まれ変わったら、今度は逆の立場になって、
愛情を注いで、赤ちゃんに生まれ変わったおかあさんを育てることを知ります。
切なくて愛おしい短編でした。



長い日記のほとんどが短編のあらすじになりましたが。(笑)
素敵な短編集でした。
            
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素敵なお客様

category - 日記
2015/ 10/ 01
                 
昨日の日記を何気なく読み直したら、
私って、まるで毎日仕事のミスしてる人みたい~!
さすがにそんなことはございません。

毎日レジでミスする人のいるお店で買い物なんてしたくないですよね。
そんな人は私を含め、スタッフにいませんので、どうぞご安心を。

私がおっちょこちょいで困ると自分のことを書いたのは、
とっさの判断が、後で考えたら、こうしたほうが良かったと思うとか、
ある商品が品切れしているのを把握していなくて、
「こちらでございます」とご案内したら欠品していたとか・・・
それももちろん十分申し訳ないことではありますが、
誠意をもって対応させていただいておりますので、
トンデモナイ従業員のいるトンデモナイお店ではないのですよ、念のため。



昨日は高齢の男性のお客様の献立にお付き合いしました。
炊き込みご飯と酢の物を作られるそうで、
具の相談やら作り方など聞かれました。

すごいなぁ。立派だと思いませんか?
今までほとんどお料理したことがないであろうおじいさまが、
よし、炊き込みご飯と酢の物を作ろう!と思い立ってお買い物に。

酢の物は何にしようか?タコが食べたいぞとタコを買ってみた。
あとはキュウリがいるのか?ちょっと店員さんに聞いてみよう。
そんな風に行動できるって、素敵なおじいさまじゃないですか。

タコときゅうりとワカメにしては?と申し上げると、
よし、そうしよう、ワカメは確か家にあった、とおっしゃいました。
ちゃんと台所に立たれている方なんですね。
うちのオットは、家にワカメがあるかどうか、確実に知りません。残念。

炊き込みご飯ですから、1人分じゃないと思うんですよ。
家族に作って差し上げるんでしょうか?
皆さん、美味しい美味しいと褒めてくださるといいですね!



お料理は脳を使うので、ボケ防止にもいいと友人が言っていました。
美味しいと言われると、やる気も起きますし、
自分が食べて美味しい!と思えば、幸せになれますよね。
炊き込みご飯と酢の物、上手にできたでしょうか。

昨日のお客様で印象に残ったのは・・・
赤いオクラを見て驚いていたお客様。
ちょうどその場にいた私に、「初めて見たわ~」とおっしゃるので、
「でもこの色は加熱すると緑になっちゃうんです。
あまりきれいじゃない緑なので、ぜひ生で召し上がってください」
「緑になっちゃうの?生で食べるの?」
「塩で板ずりして、洗って、刻んでください」
「わぁ。やってみます~」
この反応、店員は大好きです。(笑)
「ありがとうございます。お試しください。」

この赤オクラ、ゆでると、本当に汚いくすんだ緑色になるんですよ。
でも味は同じなので、気にしない方は茹でても大丈夫。
自宅で実験済み。(笑)

とろろと納豆と刻みオクラ、私は大好物です。
めかぶと混ぜても美味しいですよね~。
塩+ごま油でシンプルにオクラだけ食べても美味しいです。
夏野菜ですが、まだしばらくは食べられるお野菜ですね。



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