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2015年05月26日

        

「天上の虹」 完結しました

category - 日記
2015/ 05/ 26
                 
知る人ぞ知る(笑)歴史漫画、天上の虹。
主人公は持統天皇で、幼少期から亡くなるまでが描かれています。
ポチしてから結構待ちましたが、やっと届きました~。

最終回(23巻)は、持統天皇の晩年と死を描いていて、とてもよかったです。
登場人物がとても生き生きと描かれていて、
みんな一生懸命生きたのだという思いが湧きました。

この当時の、天皇の重責を担って生きるということは、
半端でない濃い人生だったのだと改めて感じました。

作者である里中満智子さんのあとがきにこんな言葉がありました。

「昔は今と違う」なんて大間違い
どの時代でも、人は一生懸命
「現代」を生きて
「未来」を築こうと努力している・・・

実在の人物たちは
「本当はこうだった」と
言いたいことがいっぱいあったはず



私がこの漫画を知ったのは、昨年の秋でした。
奈良に紅葉を見に行くので、下調べしていた時に知ったのです。

もともと歴史には詳しくないので、紅葉の名所、談山神社に行き、
目の前の旅館に泊まるというプランを立ててから、
談山神社が大化の改新の談合が行われた場所だと知りました。

ちなみに大化の改新を起こした中大兄皇子は、
漫画の主人公、後の持統天皇の父親です。

この辺の歴史がややこしいのは、天皇家の系図が、
慣れていない人間には、ややこしいためもあるかと思います。

持統天皇は後の天智天皇(中大兄皇子)の娘であり、
後の天武天皇(大海人皇子)の妻ですが、天智天皇と天武天皇は兄弟です。

当時の天皇(男性)はたくさんの妻を持ち、たくさんの子を持つのも重要なことで、
天武天皇も10人くらいの妻を持っていましたが、
妻の中の4人は、兄である天智天皇の娘で、持統天皇もそのうちの1人です。
それぞれが子供を産み、その子が結婚し・・・と
登場人物の家系図がどんどん複雑に入り乱れていくのですが、
漫画で読むと、顔が違いますからわかりやすいの。(笑)
それでも歴史音痴の私など、あれ?どうだっけ?と脳みそぐるぐるになりますが。

しかし、そんな脳みそぐるぐるがあってもなお、この漫画は面白いです。
描くのは大変だったと思いますよ。
完結までに30年かかったというのは本当のことみたいです。
途中で連載誌が休刊になったり、考古学的発見があって検証し直したり。
しかし、30年かけて一つの漫画を完結させるってすごいなぁ。

歴史物というのは、時代検証が大変ですし、諸説ある中で、
自分としては、こうだったのではないかと思う、という
確固とした解釈を持たないと面白く描けません。

奈良時代の真実など、闇の中と言っても過言ではないですが、
登場人物はどういう性格だったのだろうか、どういう思いを持っていただろうか、
時代検証と推測をまとめて、自分の解釈はこうだ、というのを示す、
それが漫画という形で表現されて、本が出るわけですから、
本当に壮大な話だと思います。



ラストで参考にした本の書名を記すつもりでしたが、
ざっと数えても1500冊以上になったので省略します
すみません

あとがきにはこんな言葉もあり、絶句。

あの解釈はおかしい、などという批判の手紙も多く届いたそうですが、
それだけ熱心に読んでいただいてありがたいと大人の対応。

そもそも、持統天皇とその周辺の人の思いなど、誰にも検証できません。
みんなそれぞれ、自分の眼を通した解釈が生まれて当然です。

里中満智子さんだって、これは私の解釈ですとおっしゃっているはずで、
これが真実です、と断言などしておいでのはずはありません。

思い付きで、歴史検証もしないで、作り話を描いたならともかく、
1500冊以上の本を参考にして、自分なりの肉付けをして描いた作品に、
自分の解釈と違うからと言って、批判の手紙を書くなんて。
私はあそこはこう解釈しています、では気が済まないってどうよ。

それだけ熱心に読んでいただいてありがたいと書かれた里中満智子さん、
本当に大人でかっこいいわ、と私は思ったのでありました。

確かにその通り、批判文を書いてきた方たちも、歴史的人物たちに、
深い思い入れがあるからこそ、熱くなっているのですよね。

ちなみにこの「天上の虹」読後には、同じ作者、里中満智子さんの
「長屋王残照記」「女帝の手記」もお勧めです。
この2作品は「天上の虹」の少し後の話です。

            
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