FC2ブログ

2015年02月08日

        

生きていてもいいよ、生きていてくれるだけで嬉しいよ

category - 日記
2015/ 02/ 08
                 
昨日の日記の続きです。昨日は主人公紫紋のことを書きましたので、
今日はマリアのことを書きます。
まずはザクッとあらすじを。

------------------------------------------


マリアはかつて、母子家庭に育った地味な女子高生でした。
同級生ともほとんど会話しないほどで友人もおらず、
彼女が突然登校しなくなっても、気にしたのは担任教師くらいでした。

担任教師は与羽(ヨハネ)30歳。
29歳の妻、5歳の娘と暮らす、数学教師でした。
担任として、不登校のマリアの家庭訪問をしますが、
あまりのただならぬ様子に驚きます。

毎日訪問するようになり、少しずつアパートの廊下で話すようになり、
住民にうるさいと言われて、近くの公園で話すようになります。
毎日話すうちに、少しずつ心を開いてくれるようになったマリアを
与羽はいじらしく思うようになります。

一か月後、父親と名乗る男が2人が話している公園に来て、
もめごとがあるのですが、その結果、登校拒否の原因は
母親の恋人から性的暴行を受けているためだとわかりました。

ここで教師の与羽がすべきことは、教え子をしかるべき福祉の手に
委ねることでしたが、与羽とマリアは恋に落ちてしまいました。
そのうち、その恋は与羽の妻にわかってしまいます。

自分の夫が教え子に手を出すなどという事態に、妻は半狂乱になり、
犯罪ではないか、すぐに別れないと学校や警察に話すと、
毎日毎晩、与羽を責めたてるようになります。
マリアと別れることなどできない与羽は、妻に別れを切り出します。

逆上した妻は包丁を持って夫に渡し、行くなら私を殺していけば?と言います。
与羽は包丁を手に取り、自分の結婚指輪をはめた左指を切り落とし、
指ごと指輪を還すとつぶやいて、気を失い、気が付いたら入院していました。

その後また修羅場がありました。
入院する与羽が病院で目を覚ますと、そこには屋上に来てというメモがあり、
屋上では今度はマリアに、妻が自分と娘を殺せと迫っています。
マリアは、与羽と同じように自分の左指を切り落とし、
夫が驚いてマリアに駆け寄る姿を見た妻は、
娘を抱いて飛び降り自殺してしまいます。

与羽とマリアは罪の意識にさいなまれたまま別れ、
マリアは25歳の時、一人残された与羽の妻の母親の所へ行きます。
決して許されないだろうけれど、一生、お世話をすることで、
償いとして生きていこうと決心してのことでした。

お前のことは一生許さないとマリアを憎んだ桐江さん。
マリアは食事を運んだりして献身的に尽くしますが、

昨日の日記に書いた紫紋が来てからは、

桐江さんは自分の顔を見るのも不愉快だから、

紫紋の方が喜ぶだろうと、食事を運ぶのを紫紋に頼みます。

------------------------------------------


本を読んで感じるのは、一貫したマリアの罪悪感ですが、
マリアが悪いですか??

自分の恋人に娘の体を差し出すようなろくでもない母親と暮らし、
母親の恋人に蹂躙され、絶望の中にいた女の子。
毎日心配してきてくれ、話相手になってくれた優しい担任教師。
彼女には他に誰も頼りにできる人がいませんでした。
唯一、自分を守ってくれようとした既婚の教師が指を切り落とし、
パニックになった彼女に、奥さんが私を殺せと迫ってくる・・・

全部全部、わたしのせいでと自分を責めているマリア。
それは違うよ、と言ってあげたいです。

与羽はマリアへの執着に目がくらんで、マリアを保護施設に入れなかったのだし、

逆上する妻がさらに逆上するという冷静な判断もできずに指を切り落としました。


奥さんも、夫が教え子と浮気して自分たちを捨てていくという

恐ろしい現実を認めたくなくて、包丁で脅迫し、

自分の求めていた結果が出ないので、自分だけではなく、

娘をも殺すという悲惨な行動に出ました。

全部、マリアに出会ったから。
マリアにさえ出会わなかったら。
それはそうかもしれないけれど、違うかもしれません。

与羽は、マリアにあった時、いい大人でした。
マリアをきちんとした法の保護の元に置いてあげて、
それを見守る選択があるのを知っていました。
でも、自分の恋する男としての激情を優先しました。
その性質は、マリアと出会って外に出てしまったけれど、
他の出来事があっても、このように顕在化したかもしれません。

与羽はその後、みよりのない子供たちや高齢者のために尽くし、
頼りにされ、慕われる人になっています。

与羽の奥さんは、もちろん、完全に被害者です。
ただ、浮気される前、彼女は心身ともに健康でした。
夫が浮気して自分と娘よりも浮気相手を選ぶというのは、
普通の女性にとって、もちろん耐え難い苦難ではありますが、
心身ともに健康な女性の多くは、その苦しい状況を受け入れて
子供を道ずれに自殺などしないで、歯を食いしばって生きていきます。

包丁を持っての脅迫を2度行った奥さんの弱さは、
奥さんの乗り越えるべき課題であったと私は感じました。
ご主人がマリアに出会わず、こういう結果にならなくても、
この問題はやはり形を変えて顕在化した可能性も高いと思います。

------------------------------------------


みんなが影響を与え合って生きているという側面も本当なら、
自己責任で生きているという側面も本当だと思います。

「全部自己責任で私は悪くない」とマリアが思ったとしたら、

それはそれで、前者の側面を見ないようにしていると思いますが、
全部私のせい、と自分を責めながら生きることは、
後者の側面をわざと見ないようにしているように私は感じました。

与羽は自己責任でマリアとの恋を優先したのですし、
奥さんは自己責任で子供と自分を殺しました。
それを全部自分のせいでと感じることが立派で美しいような
描き方をしているように感じたので、私はその点に引っかかりました。

------------------------------------------


しかし、日記を書くというのは考えを整理する力があるので、
マリアは悲惨な家庭環境に育ったので、そうでない、
憧れるような家庭環境だった与羽と妻と子供が、
自分のせいでそれを失ったということに過剰反応しても、
無理はないという気持ちも湧いてきました。

自分に幸せになる資格などない、
自分のせいで、娘と孫を悲惨な状況で失った、桐江さんの面倒を見て
償いの人生を歩いて行こうと思ったマリアですが、
彼女は亡くなる前の桐江さんに許され、抱きしめられて、
「お母さん」と呼んで泣いていました。

マリアがずっと欲しかったのは、優しく抱きしめてくれるお母さんだったのですね。
彼女に、生きていてもいいよと言ってくれるお母さん。
この小説、突っ込みどころが満載過ぎてやはり気に入らないけど
(なんという上から目線!ファンの方、ごめんなさい。)
罪悪感をこんなに美化するなよ~という辛口の気持ちは、
書いている間に少しだけ変化してきました。

生きていてもいいよ、生きていてくれるだけで嬉しいよ。

そう思ってくれる母親が必要。

自分の一部がそういう母親だと思えるといいねというのは、

やはり怪しいヒト限定の思いなのでありましょうか。

思いのままに書いて来たら、またすごく長くなりました。
ここまで付き合って読んで下さった方に、心から感謝いたします。
今日は早く起きたので、家事はサクサクと終わり、
出勤前にじっくりパソコンの前に座れました。
さあ、今日もいい仕事をしてきたいです~。
            
スポンサーサイト