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2013年04月04日

        

クラウド・アトラスのテーマ

category - 日記
2013/ 04/ 04
                 
クラウド・アトラスの感想編です。
 
同じ魂が、時代を超え、国境を越え、性別も越えて、何度もめぐり合い、
影響を与えあって生きていく物語は壮大で、
映像も音楽も美しい映画でした。
 
6つの物語が、交互に少しずつ進み、特殊メイクの役者さんが出てきて
生まれ変わりを示唆しているのですが、
とても緻密に作られているので、見逃した箇所がどんなに多いだろうと思います。
もう1度見たいと思った人が多い気がします。私ももう1度見たい!
 
 
ほんの一例なのですが・・・。
 
時代的に一番古い話で、奴隷の売り買いの新しい契約を終え、帰る途中の船で、
奴隷に命をに助けられた弁護士の若い妻の役を演じた女優さんがいます。
彼女は後半の物語で、死刑を覚悟して革命に参加するクローン人間を演じています。
 
支配者階級の娘に生まれ、自分の生活の富を捨てる覚悟をした若い女性は、
今度は支配されるクローン人間ソンミ451として生まれ、支配されて働いています。
規定の年数を働いたら自由の身になると信じていました。
革命家の男性によって、クローン人間の施設から逃げ出すことが出来、
自由の身になるどころか、即座に殺されて、工場に運ばれて処理され、
死体は新しいクローン人間の蛋白源となるという真実を知らされます。
 
この真実を人々に知らせたいという思いで革命に参加した彼女は、
救い出してくれた革命家と恋に落ちますが、
その革命家は奴隷売買時代の夫(奴隷に助けられた弁護士)の役者さんが演じているんですよ。
かつて、支配者の娘という立場から、良心に従って妻を連れ出した弁護士の夫は、
この時代には、支配されている娘になっているかつての妻を、命がけで救い出し、
彼女に真実を伝え、一緒に戦おうと言うのです。
 
多勢に無勢、革命家もソンミ451も、殺されることはわかっていました。
しかし、世の中に一石を投じることの意義を確信していました。
処刑される時も堂々として、笑顔で亡くなっていきました。
 
革命家の前世の弁護士は、奴隷売買いにはもう関わらないと宣言して、
舅(弁護士の妻の父親)を激怒させます。
人には階級と言うものがあって、それに逆らっても不幸になるというのです。
その時には当然の考えでした。
しかし、はっきりとせりふを覚えていなくて残念なのですが、
弁護士は、一滴の水も川になるというような内容の事を言うのですね。
 
私は「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」を連想しました。
自分たちの流した血が、フランスの大地を潤すだろうという内容の歌詞があります。
奴隷を支配し搾取するのは間違っている、奴隷も人間だと知ってしまった弁護士は、
元の自分に戻ることなど出来ないし、自分の知ったこのことを、
人に伝え、実践していくことで、自分が1滴の水となり、
やがて川になることを信じれば、苦労をしてもいいという決意のある言葉です。
 
その意志は、生まれ変わっても持ち続けられ、今度はクローン人間を作り、
道具として使うことが間違っているという意思表示をすることで、
差別と支配をなくすための川の流れを作るために一滴になろう、
そのために死んでも悔いはない、という生き方をしたのでした。
そして相棒として、かつての妻を生きた女性を選び、彼女を救い出し、
愛し合い、共に真実のために戦って死んでいく人生を選んで生まれ変わりました。
 
2人の俳優さんの2つの時代を書いても、これだけのことがあるのですから、
6つの時代にまたがる、たくさんの俳優さんの生まれ変わりの物語の情報量は、
これはすごいことなんですよ。こういうのにワクワクする人限定かもしれませんが。(笑)
 
クローン人間ソンミ451を演じたのは、韓国のペ・ドゥナという女優さん。
すごい存在感でよかったです。
女性ジャーナリストが石油関連の大物の真実を命がけで報道しようとする物語の、
殺し屋にまさに殺されてしまう寸前の絶体絶命のシーンがあるのですが、
メキシコ移民の女性が後ろから殺し屋を殴り殺すんですよ。
 
その女性が、まさかのペ・ドゥナの特殊メイクだったにがわかった時はびっくりしました。
殺し屋は馬鹿にして、メキシコ移民女性の犬を殺すんです。
許せなくて、力まかせに殴り殺して、ジャーナリストと彼女の助っ人の2人を救うんですが、
そうなの?次はメキシコ移民め!って怒鳴られて差別される人に生まれ変わったの?!と
ストーリー面でも面白くて・・・という発見が限りなくある映画なのですよ。
 
例に挙げた物語の「隠された真実を人々の前に明らかにする」というテーマ、
そして「支配と搾取と差別」というテーマも、全編に色濃く流れています。
最も、時代背景が古いほど、奴隷制度や同性愛への差別など、
差別も露骨で、隠された真実という感じではありません。
時代と共に、真実が隠され、表面は綺麗で裏は汚いということになっていきます。
 
奴隷制度で大もうけしている階級の人々は、美しい屋敷で、優雅に暮らしています。
クローン人間を使い捨てにして栄えているネオソウルは美しく便利な近代都市です。
 
しかし、一番時代的には先の世界にあったのは、文明が過去の物になり、
原始的な生活をしている、放射能も危険な地球でした。
 
この映画、今の時代に公開されるのがぴったりだと思いました。
バブルの頃、私たちは、奴隷制度で大もうけしている階級の人々のように、
あるいはクローン人間を使い捨てにして栄えているネオソウルのように、
便利で美しく楽しい時代を生きていたし、それがいいことだと思っていました。
表に見える世界は豊かだったから。
 
でも、魂の面で、豊かだったのでしょうか。
例えば日本には拝金主義がはこびり、原発もどんどん作られ、公害も広がりました。
ウランの鉱山では、現地民が労働力として使われ、被ばくして病気になり、
もちろん充分な補償もされずに放置され、ウランは先進国でたくさん使われました。
利権があり、支配があり、真実の隠蔽がありました。
 
私はクラウド・アトラスのテーマは、ここにあるんじゃないかと思いました。
 
人は魂の仲間と共に、何度も生まれ変わり、違った経験を積んでいきます。
みんな繋がっている。差別することは、支配することは間違っているのです。
しかし、差別を好み、支配を好み、拝金主義に毒されやすい魂もあって、
昔からたくさんの間違いが行われ、隠蔽が巧妙になっていきました。
このまま行くと、地球はダメになってしまうことに気がつかなくてはいけません。
隠蔽されていたものを明らかにし、本当に大切なものを自覚し、
共に何度も生まれ変わっている仲間達と今も生きていることに感謝して、
新しい時代を作っていきましょう、ということではないかなぁと。
 
見てない人には、めちゃくちゃにわかりにくい日記になりました。失礼。
 
            
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